Monday, June 14, 2004

Nielsen

NielsenのPeople Meter問題は拡大する一方だ。NY Timesの記事The Odd Couple vs. Nielsenでは、この問題はすでにビジネスから政治の分野にバトルが移動したと書かれている。

NielsenというのはアメリカのTV視聴率モニター会社で、全米の広告費は基本的にNielsenのデータに基づいて計算されている。そんな巨大市場をコントロールするモノポリー会社なのだが、いままでDiaryシステムという古臭く、かつ恐らく不正確なシステムを採用していた。Nielsenはやっとその仕組みを新しくPeople Meterというシステムに変えようとしているのだが、パイロットテストをした結果、黒人とヒスパニック系番組の視聴率が以前と比べて著しく低下したため、そういった視聴者に対して番組を流していたメディア会社が反発。特にRupert Murdoch率いるNews Corpが猛反対に出た。次にHispanic、黒人のグラスルーツ運動が起き、今はNY SenatorのHilary Clintonを巻き込む政治問題に。NielsenはPeople Meterが間違っているのではなく、以前のDiaryシステムが間違っていたのだ、と主張しているが、People Meterの仕組みも決して洗練されてはいなさそうなので、どうも説得力がない。

私は以前TiVoのエンジニアに会って話をしたことがあるが、彼らのモニターシステムは、本当に優れていてびっくりした。ユーザーのパイが小さすぎるので、参考程度にしかならないデータだが、どこでユーザーが停止したか、どこでReplay(繰り返し)ボタンを押したか、何をシリーズ録画しているか、がマトリックスで計算できる。プライバシーの関係があるので、やってはいけないことが多いが、やろうと思えばなんだってモニターできる、という感じだった。視聴率は当然のこと、番組のパイロットテストなんかには便利な仕組みがいくつかあった。

恐らくNielsenもいずれはそういった仕組みを採用することになるとは思うが、どんなに正確なデータを入手しても、そのデータを嫌がるメディア会社や視聴者はいるだろう。ただ、この仕組みは間違っている、という議論よりも、そもそもメディアはどうあるべきか、という議論を政治の場ではするべきだと思うので、まずはもうちょっとNielsen及びメディア会社がTech Savvyになることを望む。

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